「夫の行動などを記録した日記は浮気の証拠になるの?」
夫の行動が怪しいと感じたら、「まず日記をつけると良い」という情報が世間一般に出回っています。でも、夫の行動記録や様子を日記につけて、いったい何の得があるのだろうと不思議な感じがします。夫の帰宅時間や機嫌、外出記録が浮気の証拠になるとはとても思えないからです。
今回は夫の行動を日記につけたものは「浮気の証拠」になるかどうかについて、しっかりと確認しておきたいと思います。
目次
日記だけで浮気を証明することは難しい
「夫の様子がおかしい」「急におしゃれして出かけるようになった」「誰かと深夜遅くまでメールしている」等、浮気を疑うような兆候があった場合、日記をつけると良いという話を聞いたことがある人もいると思います。
実際はあなたが書いた日記だけで夫の浮気を証明するのは、かなり難しいことと言えます。いくら夫の動向が怪しくても、不貞行為(肉体関係があった)という直接的な証拠にはならないからです。
例えば夫のワイシャツの襟元に口紅が残っていたとしましょう。あなたが浮気を疑ったとしても、実際には満員のエレベーターで誰かにぶつかって付けられた可能性だってあります。状況的には怪しくても、真実はどうなのかは夫にしか分からないことです。
ですが、夫の行動を日記にしていくことで慰謝料請求や離婚などで役に立つこともあります。
日記をつけると夫婦関係が破たんしていることは証明できる
夫の浮気を疑った日から、毎日日記をつけたとします。
「●月△日、夫が無断外泊をした」「○月×日、誰かから電話がきて、そのまま深夜に外出」「▲月●日、香水の匂いを残したまま帰宅」「☆月○日、お前と合わないから離婚してほしいと言われる」「夫婦関係がずっとない。もう3か月間はない」等、詳細な記録を残します。
浮気しているかどうかはグレーであっても、夫婦関係は破たんしている、または破たんしかけていることは分かります。
このような日記の内容だけでは、夫の浮気があったかどうかまでは証明できません。
しかし、『何らかの原因があって』夫婦関係が破たんしていることの証明にはなります。この「夫婦関係の破たん」というのは、後々に破たんの原因を作った人物が判明した場合は慰謝料の請求が可能になります。
日記だけで浮気の証拠、不貞の証拠にはならなくても、夫婦関係が破たんしていた証明をすることができ、「離婚したい」と思ったときには有意義なものになります。
日記をつけることで夫と離婚はできるが、不貞行為の証拠にはならない
日記を残しておくと、夫婦関係が破たんしていた証明になります。もし、あなたが離婚を望んでいるのであれば「夫婦関係の破たん」が理由で離婚することができます。
しかし、離婚理由を「不貞行為(浮気)」にすることはできません。
夫の浮気が原因で離婚するから慰謝料を支払って欲しいと考えるのであれば、日記の記録だけでは証拠としては弱すぎます。
客観的に見た場合、夫の行動は限りなくグレーであるのは分かります。ですが、グレーな動向は浮気をしていた証拠にはなりません。
あくまでも夫の浮気が確実なもので「クロ」と証明されない限りは、性格の不一致による夫婦関係の破たんとして扱われます。
日記は後に裁判になった時などは、有力な状況証拠にはなります。しかし、残念ながら日記の記録のみで肉体関係を証明することは成立しません。
不貞の証拠は得られませんが、日記は後から色々な場面で役立つアイテムになります。夫の浮気を疑っている人は、日記を書くと良いという情報は間違っていないのは確かといえます。
浮気を疑っている時の日記の書き方
日記そのものだけでは浮気の証拠としては弱いですが、書き方によっては裁判などになった際に有利になることもあります。
日記による証拠価値は、どれだけそれに信用性があるかが重要です。
日記を書くときは事実に基づいて詳細に記します。嘘は絶対にNGですし、大袈裟すぎる表現も信憑性がなくなります。感情的にならずに、しっかりと事実だけを淡々と書き綴るようにします。
「○月×日、無断外泊したので問い詰めると怒鳴り出したので、子供が泣いてしまった」「▲月☆日、夫婦生活を求めたが断られた。その後、夫が外出して朝方まで帰らなかった」など、詳細に簡潔に業務日報のようにまとめしょう。
また、生活費を減らされた、もらえなかった場合などは、通帳などをその都度コピーして日記に添付しておくと良いでしょう。
日記をつける時の注意点
信憑性の高い日記というのは、当時の記録を改ざんせずに残しているものである必要があります。広い世間の中には、夫の浮気をでっちあげて有利に離婚したいと考える人もいるからです。
あなたの日記はそうではない、記録として正しいものであるという認識を持ってもらえるような形で残しておきましょう。
鉛筆は使わずにボールペンなどで書く
鉛筆など、消して内容を書き改めることが出来るもので日記を書いていた場合、「あとで書き足したのではないか」という疑念が沸く可能性もあります。ですから、改ざんしていないという証明のためにも、ボールペンや万年筆など書き直しができない物で書く必要があります。
バインダー式のノートではなく製本されたノートを使う
ルーズリーフなどを使うバインダー式のノートの場合、あとでいくらでも抜き差しが可能です。そのため、ルーズリーフで書いた記録は信憑性という面では落ちてしまいます。
しっかりと1冊に製本されているノートを使うと、より一層信頼度のある記録として採用されるはずです。
天候なども記すと良い
より信憑性のある記録であることを認識してもらうためには、日付とともに天候を記載するといいでしょう。晴れ、雨、など簡単に記載するだけで、より一層信頼のおける情報となるので一緒に記しておきたいものです。
浮気相手に慰謝料請求をしたい場合は不貞の証拠が必要
日記を綴っていくうちに、夫の浮気は確実なものだ!とあなたが実感したとします。家庭を壊した、夫婦関係を破たんさせた責任がある浮気相手に対し、慰謝料を請求したいと考えるケースだってあるでしょう・
ですが、日記の記録だけでは浮気を証明する「不貞の証拠」にはなりません。
夫婦関係の破たんが分かったとしても、夫の浮気が確実なものなのか、相手は誰なのかが分からなければ浮気相手にも夫にも慰謝料請求はできません。
不貞の証拠もなく、「多分この女性だろう」と慰謝料の請求をしても、「私じゃありません」「証拠を出してください」と言われてしまえば、あなたに勝ち目はありません。
不貞の証拠がなくても、相手に慰謝料を請求することは出来ますが、証拠もないのに払うとは思えません。
日記を活用すれば浮気の証拠を手に入れられる
不貞の証拠がなければ、浮気相手に慰謝料請求をしても拒否される可能性が高いのは事実です。でも、あなたには毎日書き綴った日記しか、状況を証明するものはありません。
夫の様子が怪しいのは日記から分かりますが、肉体関係の有無や相手の情報は一切ないとしたら、どうやって浮気の証拠を抑えたらいいのでしょうか?
日記の記録を活用して探偵に浮気調査を依頼する
詳細に夫の行動を記した記録『日記』があれば、探偵による浮気調査が大変容易になります。
なんとなく探偵に調査を依頼すれば、高額な費用がかかるイメージがあると思いますが、日記で動向が掴める場合、調査は非常に簡単になります。
まったく情報がない状態で浮気調査をするのは、確かに時間も期間も長期に渡るため、ある程度の費用が必要になります。しかし、日記の記録をたどれば、夫がいつ浮気相手に会っているのか、何曜日に会うことが多いのか、おおよその見当がつきます。
日記から得た情報を探偵に提供したら、浮気調査は短期間で終了するはずです。ピンポイントで浮気しそうな日に調査をする場合は、数時間で不貞の証拠を抑えることも可能です。
詳細な日記の記録は夫が浮気する日を予想できる
浮気の証拠にはならないと考えられた日記でも、長い間書き続けていけば夫の行動を読むための重要なアイテムになります。日記の記録だけで、優秀な探偵であれば浮気相手はどんな職業なのか予想できることもあるようです。
夫が用心深くてスマホやパソコンの確認ができない、重要な証拠を残さないという性格であれば、なおさら日記が効力を発揮します。地道に日記を書くという行為が、不貞の証拠を抑えるための突破口になることもあるのです。
夫の行動を日記に書いても浮気の証明にはならないが、不貞の証拠を抑えるための重要なアイテムになる!
夫の怪しい動向を詳細に日記に残しても、それ自体は浮気の証拠にはなりません。法的にも有効とされる不貞の証拠とは、客観的に見て肉体関係があったと推測できるものでなければ認められないからです。夫の動向を記した日記だけでは肉体関係があったかどうか、また浮気相手が誰なのか分からないですよね。
ただし、日記で得た情報をもとに探偵に浮気調査を依頼したら、早い調査が見込めます。探偵によって浮気の証拠を得ることができれば、あなたは浮気相手に慰謝料の請求もできます。また、夫と離婚するにしても優位な立場で話を進めることが可能です。
夫婦関係が破たんしていた状況証拠や、浮気調査のための情報として「日記」は重要なアイテムになります。夫の浮気を疑った場合は、まず日記を書くことから始めてみてはいかがでしょうか?きっと、あなたにとって、いつか大きな利益をもたらしてくれるはずです。