「慰謝料請求より制裁をしたい!職場に不倫をばらす方法はあるの?」
夫の浮気が判明した場合、普通は浮気相手に慰謝料請求などをするのが一般的です。でも、そんなものを貰うよりも、「社会的制裁を与えたい!」「相手の職場にばらしたい!」と考える人も時はいるようです。
特に夫が浮気相手と同じ職場だったら、毎日顔を合わせていると思うのも辛いですよね。復讐目的で浮気相手の職場に不倫をばらしても大丈夫なのでしょうか?
目次
不倫を職場にばらしたら浮気相手にとっての制裁になりますか?
身もふたもないことになってしまいますが、不倫がばれることによって浮気相手にとって制裁になるかは会社によります。
というのは浮気が職場にばれたとしても業務上に関係ないことであれば、会社から罰則を受けるわけではありません。
不倫が原因で社内の秩序が乱れ、会社の業務上の支障が出た場合にはクビや左遷といった懲戒処分の対象になるケースもあります。
しかし、不倫というのは一般的にはモラル違反です。なのでいい顔をしない人が多いでしょうし、会社によっては浮気をしたことによって一生昇進ができなくなり、退職を余儀なくされる場合もあります。
不倫関係が職場に知られることで異動になったり閑職へ飛ばされるということもあります。社会的信用を無くさせるという意味では職場にばらすことはダメージになるでしょう。
ただし、職場に不倫をばらすことで職場で肩身の狭い思いをさせることができるかもしれませんが、必ずというわけではありません。
復讐目的で浮気相手の職場に不倫をばらすのは違法
慰謝料なんかを貰うより、浮気相手に痛い目を見せたい、不倫する酷い女だと知らしめたい。社会的信用をぶち壊してやりたい。
あなたの大切なご主人を奪った人が、平気な顔で仕事をしているなんて許せないと思うのではないでしょうか。
不倫相手の職場に「〇〇さんが不倫をしている!」と会社に乗り込んだり、会社に電話をする、会社の連絡先にメールを送る、ビラをまいたり、手紙を送ることは「業務妨害」「名誉毀損」「プライバシーの侵害」に該当する可能性が高くなります。
浮気相手に「職場に不倫をバラす」というのは脅迫罪になる可能性がある
もしも浮気相手に「職場に不倫をバラしてやる」と伝えたり「痛い目にあわせてやる」と言ったりすれば、相手から脅迫罪で訴えられるかもしれません。浮気されたあなたが被害者だったはずなのに、逆に裁判で被告にされてしまう可能性があります。
浮気行為に慣れている女性の場合、あえて反省していない態度をとって、こちらが感情的になるのを待っているケースも少なくありません。怒りを抑えきれず「バラしてやる」と言ったこちらの発言を録音しようと、話し合いの場でレコーダーを所持している女性もいます。
脅迫罪以外にはどんな罪になる?
浮気していることを職場にばらした場合、プライバシー侵害や名誉棄損罪に抵触します。「浮気は事実だから、名誉棄損にはならないのでは?」と思うかもしれません。しかし名誉棄損罪は、浮気の事実に関わらず、不特定多数の人に情報を伝えることが成立条件になります。そのため不特定多数の人がいる職場で、浮気をばらすことは避ける方がよいでしょう。
周りに自分の浮気を知られたい女性はいないはずです。職場にばらされると、他人に知られたくない情報を周りに知られてしまいますよね。秘密にしたい内容をばらすことは、プライバシー侵害に繋がります。
罪を犯すと慰謝料請求で不利になる
不倫をばらして名誉毀損やプライバシーの侵害なってしまった場合、あなたから浮気相手へ慰謝料請求できますが、浮気相手もあなたへ慰謝料請求することができる可能性があります。
夫と不貞行為を行った相手に対して、慰謝料請求をしたとします。でも、相手も「私だって職場に浮気をばらされて被害を被った」という主張をした場合、あなたにも非が発生することになるでしょう。裁判で慰謝料の金額を争う際に、罪を犯したあなたにも非があるとして、慰謝料の金額が下がってしまうかもしれません。
プライバシーの侵害や名誉毀損による慰謝料は数十万が相場になるため、慰謝料をふんだくってやりたいと考えている場合にはリスクになります。
不倫をばらした側が逆に訴えられることも
職場に匿名で密告をしようと考えている方もいると思います。
匿名でメールを送ったり、手紙を送る、電話をして不倫の事実を告げようと考える方もいるでしょう。実際に浮気の証拠が入った手紙を、職場の上司や社長等に送ったケースも聞いたことがあります。しかし何らかの方法で差出人が特定されると大変です。名誉棄損罪やプライバシー侵害があったとして、逆に民事訴訟を起こされる可能性があります。
匿名で浮気を職場に密告したら違法になる?
職場に匿名で密告をしようと考えている方もいると思います。
匿名でメールを送ったり、手紙を送る、電話をして不倫の事実を告げることは違法です。匿名だとしても、不法行為には変わりません。
浮気の証拠が入った手紙を差出人不明の手紙を親展で職場の上司や社長等に送った場合、差出人を特定することは難しいですが、あなたが送ったものだとバレてしまった場合にはプライバシーの侵害等で民事的な責任を負うことになります。
浮気相手の職場に密告手紙を送ったらばれるの?
密告手紙だとしても、匿名で送ればばれないと考えるかもしれません。確かに差出人の記名がなければ、すぐには身元はばれないでしょう。しかし思いがけないところから身バレする危険性がありますので、注意が必要です。
たとえば手紙の内容に、当事者しか知らない情報が書かれている場合は身元がばれる可能性があります。現場にいた人間しか知らないような場所や発言、食べたものや天気といった小さな情報が身バレに繋がるのです。また手紙の内容以外にも、手紙の用紙や筆跡、言葉遣いといったクセなどからばれる可能性があります。
匿名だからといって好きなように書いてしまうと、相手の怒りを買って、訴訟などの厄介な事態に巻き込まれるかもしれません。
浮気相手の連絡先が職場しかわからない場合、会社へ電話をしてもいいのか?
浮気相手の連絡先がわからずに困っている場合、浮気相手の会社へ電話をすることは違法にはなりません。
ただし会社に電話をしても浮気相手と取り付いでもらだけにしてください。
「〇〇さんが浮気をしているので話をさせてください」ではなく「会社の〇〇さんへ取り次いでください」といった不倫の事実を会社の人へ伝えないように配慮しましょう。
本人と電話で話をする際には要件だけにとどめてください。会社の電話を使って長々と浮気について話をしてしまうと、業務妨害に該当する可能性があります。
浮気のことについて簡潔に伝え、浮気相手から連絡先について聞きましょう。
ただし浮気相手と連絡を取る際には浮気の証拠を押さえた上で連絡を取ることを忘れないでください。
勤務時間中に浮気をしていたとしたら会社に報告してもいいケースも
例えば同じ会社で上司と部下の関係だった、勤務時間中にラブホテルに出入りしていたということであれば、職場にとっても大問題です。
また、夫の会社に業務上出入りしていたのが不倫相手だったという場合も同様です。こういったケースでは会社は社の業務上の支障が出ているので夫や不倫相手は懲戒処分の対象になります。
会社に不倫を相談する場合、就業規則上、社内の風紀を乱したとして懲戒処分の対象になるような合理性、必要性がある場合の相談は可能です。
そういった場合には会社のコンプライアンス部門などに相談をしてみましょう。
ですが、会社は必ずしもあなたの味方というわけではありませんし、就業規則は会社に違うので対応してもらえるのかは会社によります。
社内不倫で懲戒処分になったとして浮気相手だけを退職させたいと思っても退職になるかは会社次第ですし、浮気相手だけではなくあなたの夫も処分を受けることになります。
浮気相手の職場に内容証明を送って合法的に浮気をばらす
このように、浮気相手の職場に乗り込んで「コイツが私の夫と不倫している!」とばらした場合、あなたが加害者になってしまう可能性が出てきます。
浮気相手が憎たらしいという気持ちはわかりますが、あなたが犯罪者になる必要はどこにもありません。むしろ夫とあなたの仲が悪くなることは、浮気相手の思うつぼかもしれません。
あなたの夫と浮気をしたのに、職場で何食わぬ普通の顔をしている浮気相手がどうしても許せない時は、職場に内容証明を送る方法があります。内容証明が会社に届くと、「どうして会社に送られてくるのだろう?」「もしかして何かトラブルが起きているのでは?」と浮気相手の肩身が狭くなる環境を作りだせます。
内容証明とは
内容証明は「あなたに慰謝料請求をするので払ってください」という書類のことです。
自分でも雛形などを参考に作成することができますが、弁護士や行政書士に依頼して作成してもらうことが多いです。
内容証明が使われる場面はいろいろありますが、多くの場合、「不倫」の慰謝料請求に使われます。
なので、内容証明の中身を見なくても、内容証明の用途を少し調べたら「浮気の慰謝料請求をされている」ということは周りにも明らかになるでしょう。
旦那さんと同じ職場なら、内容証明の送り主が上司の妻だったら…大人だったら誰でも「浮気」だとピンとくるのではないでしょうか。
内容証明なら職場に送って大丈夫なの?
普通は相手の自宅に送りますが、自宅の住所が不明な場合、自宅への郵送を拒否された場合は職場へ郵送することになります。
浮気に対する慰謝料の請求は正当な権利です。浮気相手の職場へ送付することに違法性はありませんので、安心してください。
職場へ内容証明が届くというのは、普通の状態ではあまり考えられません。何がしかのトラブルが発生しているのは、開封して見なくても一目瞭然でしょう。
あなたの名義で浮気相手に内容証明を出したら浮気だと知られることになるでしょう。
はっきり『浮気』ということが知れるわけではありませんが、トラブルを起こしている状態は職場にも伝わると考えることができるでしょう。
浮気相手の職場に内容証明を送る際の注意点は?
浮気相手の職場に慰謝料請求などの内容証明を郵送すること自体は、法に触れないという事がわかりました。
ですが、しっかりと注意点を守らないと、名誉棄損やプライバシー侵害を訴えられるケースも発生するので注意が必要です。
職場の人に開けられないようにすること
「誰かに開けられて噂になればいいのよ」と言う気持ちで、宛名は会社名だけ、親展扱いにせずに郵送した場合は、やはりあなたが悪くなってしまいます。
内容証明を発送する際、必ず宛名は個人名、しかも『親展』扱いで郵送するようにしましょう。これを怠って、社内の誰かが間違って封を開けて浮気がバレた場合、あなたの責任が問われることがあります。
配慮のない郵送方法で、浮気相手のプライバシーを侵害、名誉棄損をしたと考えられるからです。しかし、「○○社△△様 親展」で郵送すれば、あなたの非は問われません。開封した人に責任が発生します。
浮気の証拠を確保してから
あなたが「夫の浮気相手はこの人で間違いない」と思い、職場に内容証明を送ったとしましょう。ですが、浮気相手から何も対応がないということもあります。
慰謝料請求の際に重要なのは、夫と浮気相手の間に明確な「肉体関係」があったと認められる『不貞の証拠』が好ましいです。
証拠もなく職場へ内容証明を発送した場合、嘘をついたとして浮気相手に訴えられることになることを覚悟しておきましょう。
ラブラブなメールやLINEのスクリーンショットや、キスをしている写真などでは不貞の証拠とは認められません。もし、あなたが持っている証拠がこの程度のものであれば、職場へ内容証明を送るよりも証拠集めに専念した方がいいでしょう。
ほとんどの場合、不貞の証拠は探偵に浮気調査を依頼すると入手できます。不貞の証拠があれば、相手も逃げることは出来ませんし、例え内容証明を発送したにも関わらず何も対応がない場合、訴訟に移ることができます。
証拠があれば、浮気相手と引き離すためにも使える
夫の会社の立場が悪くせずになんとかしたいという方は会社へばらすことはやめたほうがいいでしょう。
慰謝料請求は浮気相手との交渉に役立ちます。夫とやり直す場合、浮気を会社に知らせたら夫も肩身の狭い思いをすることになります。
慰謝料請求をするに際して、浮気相手と示談をする場を設けましょう。浮気相手に慰謝料請求の代わりに退職、異動をお願いしたら受け入れてもらえることがあります。
→「探偵に浮気調査を頼めば浮気相手と別れさせて再構築できる?」
職場に内容証明の郵送はできるけど、直接ばらすことはやめよう
相手を憎むあまり、慰謝料よりも制裁を・・と考えて職場にあなたの夫との浮気をばらしたい衝動に駆られるお気持ちは理解できます。
でも、何も考えずに会社へばらしてしまうと逆にあなたが加害者になります。プライバシーの侵害や名誉棄損などで、賠償責任を負う危険性もあるのです。
もちろん、そうなると適正金額の慰謝料の請求も難しくなります。
浮気相手の社会的な制裁では、あなたに得るものは何もありません。しかも悪者はあなたになってしまいます。多少、あなたの気は晴れるかもしれませんが、最終的には虚しい思いをしてしまうことになります。
職場へ内容証明の郵送はできますが、その前には必ず不貞の証拠を得ておくということが重要です。
まず、不貞の証拠を得てから、内容証明などの郵送をしてください。決して浮気相手を誹謗中傷するような電話を職場などにかけたり、直接乗り込むといった方法で職場にばらすことはやめましょう。
どうしても浮気相手に仕返しをしたい、相手をぎゃふんと言わせたいと考えているなら、こちらのコラムを読んでみてくださいね。