「絶対に浮気相手が許せない!制裁をしてやりたいけど、、どうしたらいいの?」
夫の浮気が判明した場合、夫以上に浮気相手に憎しみがつのってしまう・・そんなケースも多いようです。「別れたら、それで済むとは思わない!」「私以上に痛い目にあわせたい!」と考える人は想像以上にいると思われます。
ですが、方法によっては、制裁は犯罪行為や法律違反に抵触する場合もあり、一体どうしたら良いのか分からないのが現状です。夫の浮気相手に制裁をあたえるためには、どうすべきなのか、また何をしたら法に触れるのかを考えていきましょう。
目次
浮気相手の両親や相手の家庭にばらしてもいいの?
まず、最初に考える制裁方法に、浮気相手の両親や家族に不倫関係をばらす・・ということが挙げられます。相手の両親も、娘が他人の夫と不倫関係にあるのを知れば驚くでしょう。また、浮気相手に家庭があった場合などは、その夫に不倫を知らせるのもひとつの制裁になりそうです。
腹いせや制裁目的は法に触れる可能性も
しかし、あなたが浮気相手の両親や夫に対して「制裁をしたい」または「腹いせ目的」で浮気をばらした場合は、法に触れてしまうことが考えられます。たとえ浮気が事実だったとしても、腹いせ目的でばらした時は、『プライバシーの侵害』『名誉棄損』にあたる可能性があります。あなたの家庭を乱した浮気相手ではありますが、あなたが浮気をばらすことによって、今度は自分が加害者になってしまうことも・・。浮気は、された方ばかりが損してしまいますね。
事態の解決目的であれば、場合によってはOK
ただし、何が何でも浮気相手の両親や家庭に浮気の話をしてはいけない・・ということではありません。あなたが「夫と元通りになりたい」、「また家庭を再構築したい」と考えているにも関わらず、浮気相手が別れようとしない場合もあるかもしれません。その場合、「協力を要請する」という意味あいで教えることは、名誉棄損やプライバシーの侵害には当たりません。
ですが、これはあくまでも、あなたが「夫と離婚せずに再構築したいと願っている」場合に限られます。すでに離婚が決まっているようなケースであれば、あなたが両親や浮気相手の家族に教えることの正当性がないと考えられます。また、両親や相手の夫に対して慰謝料の請求などをすれば『強要罪』に該当することもあるので、十分な注意が必要です。
浮気相手の会社にばらして大丈夫?
浮気や不倫は、倫理上の不法行為にはあたりますが、刑事罰があるような犯罪ではありません。また、浮気は私生活上で起きた出来事ですから、会社の職務にも一切関係はないといえます。上記の点を踏まえて考えると、あなたが会社に浮気をばらした場合は、誹謗中傷として捉えられてしまう可能性があります。
しかし、夫と浮気相手が同じ職場で「顔を見合わせていれば、浮気を止めない」ことが予想される場合などは、「相談」という形で会社にコンタクトを取ることは出来るはずです。この時も、浮気相手の両親や家族に相談するのと同様に、あなたが夫と「別れないつもり」でいることが必須条件になります。浮気が原因で生活破たんして離婚が決まっているのであれば、会社に知らせる必要性はないと判断されます。その結果、浮気をばらしたことが『誹謗中傷』『名誉棄損』に該当すると考えられてしまうでしょう。単なる「浮気された妻」の嫌がらせとして対処されるだけです。
閑職に飛ばされたり減給などの処分は会社によってそれぞれ
あなたが浮気相手の職場に浮気をばらしたとしましょう。ですが、いくら悪いこととはいえ、犯罪でもなく業務上の過失でもない不倫行為で会社を解雇させられることは、ほとんどありません。口頭で注意されるか、重い処分でも異動や配置転換くらいではないでしょうか。中には減給などの処分もあるかもしれませんが、会社によってそれぞれですので、あなたが望むような「制裁」はないと考えた方が良いはずです。
→「浮気相手への仕返しはどこまでが合法的ですか?ばらしても大丈夫?」
夫とやり直したいと考えているのなら、浮気相手への社会的制裁は止めた方がいい
会社に夫と浮気相手の女性の相談をする場合は、誹謗中傷ではなく、あくまでも相談する形であれば問題ないと前述しました。離婚せずに再構築する場合は、会社に浮気の事実を話すのもアリと説明しましたね。でも、本当にあなたが夫と「やり直そう」と思っているのであれば、会社にばらすという社会的制裁は止めた方が無難です。言っていることが矛盾しているようにも感じるかもしれませんが、会社への告発はあなたにとってもダメージが大きいといえます。
浮気相手の立場も悪化するが、夫の立場も悪くなる
夫と浮気相手の会社が同じだった場合、会社に不倫関係を伝えれば、浮気相手はモチロンのこと、あなたの夫も立場が悪くなります。「会社の女性に手をつけた男」という目で見られ、確実に肩身が狭くなるでしょう。もしかしたら、あなたの夫が左遷されたり減給処分を受けることだって考えられます。出世コースから外れてしまうケースだってありますね。
会社に浮気をばらすのは、浮気相手にも、あなたの夫にも制裁を加えることになります。ただでさえ職場不倫の関係は、女性以上に男性の責任を重く見る傾向があるはずです。もし、あなたがご主人と別れるつもりがないのであれば、長い目で見ると「会社に教える」のは損失が大きいと考えられます。浮気相手への制裁は、会社や両親、家庭にばらすという行為ではなく、正々堂々とあなたに認められた方法で行うのが一番良いはずです。
日本の法律では浮気された精神的苦痛を損害賠償、慰謝料として請求できる
日本の法律上、婚姻関係があるにも関わらず、自らの意思で他人と肉体関係を持った場合は「不貞行為」として、損害賠償や慰謝料の対象になります。社会的制裁を加えることが出来ない代わりに、慰謝料を浮気相手に請求するのは「正当な行為」として認められています。
慰謝料請求は合法的な制裁として認められています
前述した通り、浮気相手への慰謝料請求は合法的な制裁として認められています。あなたが夫の浮気や家庭を乱されたことで受けた精神的苦痛に対して、浮気相手にそれなりのお金を払ってもらうという方法です。
浮気や不倫相手に対する慰謝料は、相手の職業や立場、または浮気の期間や内容によっても異なりますが、大体200万円から300万円が相場だとされています。あなたにとって少ないと感じるかもしれませんが、百万単位のお金の支払いは大変でしょう。
時には「お金など要らないから土下座させたい」「殴ってやりたい」「会社をクビになればいい」といった制裁を求める奥様もいます。ですが、それらの制裁はわが国では認められていないばかりか、今度はあなたが加害者になってしまうことも考えられます。
例えば交通事故で不幸にして家族が亡くなった場合、いくら謝罪してもらっても元気な体が戻ってくることはありません。刑事罰も下されますが、家族に対しての精神的苦痛は慰謝料や損害賠償の支払いでしか成立しません。家族の命を奪われたとしても、殴ることすら許されません。お金で済む話ではありませんが、実際問題として、精神的苦痛はお金で解決するのが我が国のルールになっています。
慰謝料請求をすることで、夫や浮気相手を反省させられる
浮気の多くは、「軽い気持ちで」始まったものと考えられます。「つい何となく・・」そんな気持ちで始まり、体の関係が出来てお互いにずるずると交際を続けていたというケースがほとんどではないでしょうか?
まさか、あなたをこれほどまでに苦しめることになるとも考えず、一瞬の快楽や恋愛ごっこが楽しかったのかもしれません。バレなければそれでいいという軽はずみな行動が、「慰謝料請求」にまで発展するなんて、ご主人も浮気相手も思っていなかったはずです。
しかし、いざ慰謝料を請求されたときに、やっと事の重大さに気がつくケースが多く、「まさかここまでされるとは」と感じるようです。慰謝料請求という重い事態になれば、夫も浮気相手も確実に反省するはずです。同じことを繰り返させないためにも、慰謝料請求は有効といえますね。
念書を書かせることで浮気の再発も防止できる
慰謝料請求をすることになった場合、念書や誓約書を交わすと、より浮気の再発を防ぐことができます。示談の際に、「二度と夫と私的な連絡をとらない」という念書や誓約書にサインしてもらい、破った場合はペナルティを支払う旨を盛り込むと、抑止力が大きくなるはずです。
念書や誓約書にサイン・捺印すれば、あなたの夫と不倫した証拠にもなりますし、精神的な圧迫をかけることが出来ます。二度と浮気させないためにも、念書は書いてもらうようにしましょう。
浮気された辛さはお金にしかならないの?
あなたは、長い期間、夫の浮気で辛く、悲しい思いをしてきました。一人で悩み、泣いた夜も数多くあったでしょう。数百万円のお金を慰謝料として貰っても気が済まないと思っているかもしれません。もっと自分にできる制裁はないのか・・と悔しい気持ちでいるかもしれないですね。
ただ、慰謝料を請求するまでに事態が発展した場合、あなたにはそれを基に「交渉」する権利は獲得できます。「慰謝料の支払いなんていらないから、○○して欲しい!」という要望があれば、交渉次第で願いが叶うケースも発生します。では、どんなことについて交渉可能なのかを考えてみましょう。
→「浮気相手を訴えたら、辛い思いをさせることはできますか?」
浮気相手に退職、異動してもらう
基本的には、あなたは浮気相手を退職や異動に追い込むことは出来ません。しかし、慰謝料請求の際の交渉として「慰謝料を減額(または要らない)する代わりに、退職してくれませんか?」「異動を申し出てくれませんか?」という要望を出すことは可能です。もちろん、相手が拒否すれば別ですが、「慰謝料の支払いがなくなるなら、会社を辞めよう」と考えることも十分あり得ます。
無理強いや強要は出来ませんが、交渉材料として慰謝料を持ち出した場合、相談に応じる可能性も高くなります。まずは、確実に慰謝料が請求できる「不貞の証拠」を得て、退職や異動に応じてもらえるかどうかを確認すると良いかもしれません。
浮気相手を引っ越ししてもらう
浮気相手が近所に住む女性だった場合も、慰謝料請求を盾に引っ越しを促すことも可能です。居住の自由が我が国では認められているため、本来であれば「あなたが邪魔だから引っ越してほしい」という要望は無効です。ですが、「慰謝料の減額(または不要)という条件で引っ越ししてもらえませんか?」という交渉を申し出ることは出来るはずです。
あくまで、穏便にお願いするという形になりますが、相手が独身だった場合などは簡単に応じてくれるケースもあるようです。
浮気相手に謝罪してもらう
「浮気相手に土下座してもらいたい!」そう、考える奥様も多くいらっしゃいます。しかし、謝罪の強要は「強要罪」に抵触する可能性があります。「謝らなければ、会社や親に言うから!」等と言えば、脅迫罪に該当してしまいます。
正当に浮気相手に謝ってもらうためには、示談や和解書を作成する時に「謝罪文」を要求することで、相手に謝ってもらうことが出来ます。慰謝料を請求され、自分に非がある以上は、浮気相手はあなたに要求された「謝罪文」を書かねばならないはずです。まずは謝罪を要求するためにも、確実な浮気の証拠を得て、慰謝料を請求する準備を整えることが「謝罪」への近道と言えるでしょう。
会社や親にばらす社会的制裁はあなたにとっても不利!慰謝料請求が正当な制裁
浮気相手に制裁を与えたいと考え、会社や親にばらす方法は、あなたにとって不利益が多いということが判明しました。場合によっては名誉棄損、プライバシーの侵害に該当するケースもあり、いくら悪いことをしたといっても、あなたが何をしても許される状態ではないようです。
夫と再構築を考えていた場合は、会社に不倫関係を相談すれば夫の肩身も狭くなりますし、出世コースから外されることも考えられます。天秤にかけて考えれば、会社に教えるのは損失が多いのは確実です。
正当な制裁としては、やはり浮気相手に慰謝料を請求するのが一番ですし、慰謝料を交渉材料として考えれば、あなたの望む状況に相手を置くことも可能になります。あくまで強要は出来ませんが、交渉する余地が発生するのは確かです。浮気相手への制裁は社会的制裁ではなく、正当に慰謝料の請求をするのが、最も正しい方法といえるのではないでしょうか?