夫の浮気調査を探偵に依頼する時、もっとも心配なのが料金トラブルではないでしょうか?悪徳業者から多額な費用を請求された、結果が分からなかったのに返金されない等という噂が多いせいか、何となく探偵にはネガティブなイメージがありますね。
信頼できる探偵を選ぶためには、どんな部分を見極めたらいいのでしょうか。料金トラブルを避けるために必要なことを考えてみましょう。
目次
国民生活センターの例から見る料金トラブルの事例
浮気調査などを探偵に依頼した際に、発生しやすいのが料金トラブルです。探偵と依頼者側の認識の違いや、悪徳探偵に騙されたことが原因のようですね。では、どんな事例が発生しているのか、国民生活センターへの相談事例で確認しておきましょう。
請求金額が高い
国民生活センターには日々、様々なトラブルや苦情が寄せられています。その中にはやはり、探偵との間に発生したトラブルも多くあるようです。例えば、『パソコンのアダルトサイトに登録されたので、インターネットで見つけた探偵に相談。契約書が届いたが相談時より高額な費用が請求された』など、浮気調査以外でも請求金額が高いというトラブルが多いようです。
前払い制の浮気調査であれば見積もりに満足できなければ、契約せずにすみます。ですが、後払い制や成功報酬型の浮気調査は、最終的にいくらになるのか不明瞭のため、請求金額が高すぎるという相談がありました。
→「探偵によって見積もりが違う!料金の差はどこから来ているの?」
追加料金
『結婚した息子の嫁の学歴や職歴に疑問があり、嫁の学歴調査を200万円で依頼。しかし、行われたのは素行調査で、報告書には新たな事実がなかった。追加調査がなされ、100万円を支払ったが十分な調査をしてもらえなかったので、契約解除と返金を求めたい』という苦情もありました。
浮気調査の場合は依頼された調査期間内に証拠が掴めずに、期間延長などが勝手に行われるなどして追加料金の請求をされるケースもあります。調査期間が延長されれば、人件費や雑費などが加算されることが考えられます。追加の調査が必要な場合は、依頼者に必ず承諾を得るように行動してくれる探偵に依頼する必要がありますね。
→「探偵に頼んで勝手に追加料金を請求されない?水増し請求を防ぎたい!」
キャンセルについて
『探偵に息子の捜索願いを出して契約。しかし、直後に息子が家に戻ったので契約を解除したい』という事例も寄せられていました。浮気調査に当てはめて考えるとしたら、夫が浮気相手と別れたようなので、調査を中止したいという事例と同じですね。
しかし、一度契約を締結したものに関して、全額返金は難しいのが実情です。すでに下調べに入っていた場合も考えられます。良心的な探偵であれば、キャンセル時に関しての取り決めが契約書に記載されているはずです。万が一、キャンセルしなければならない時の説明は契約前に受けておきたいものです。キャンセル料についての確認もしておくと良いでしょう。
その他にも返金を求めるケースはどんな時?
上記のような相談事例以外にも、探偵に返金を求めるケースが頻発しているようです。調査が行われても、その内容に依頼者側が満足できなかった時は、お金を返して欲しいと思ってしまいがちですね。では、どんな時に返金してほしいと思うものなのでしょうか?
調査結果が出なかった
『夫の浮気調査を探偵に依頼。しかし本人確認を誤ったため、別人を尾行して証拠が掴めなかった。この場合も費用を支払わねばならないのか』という苦情が寄せられています。単純に見ると、探偵側のミスであるため、料金は発生しないように見えますね。
しかし、契約内容によっては、このようなケースでも全額返金は難しいこともあります。ただし、探偵側が重大なミスを認めた場合は、全額返金もしくは一部返金されることもあります。
調査が失敗した時の返金対応については探偵社によって対応が異なります。結果が出なかった時はどうするのか、ミスした場合はどうするのかを明瞭に告知している探偵を選ぶことが大切ですね。
→「浮気調査が失敗したら返金できる?返金保証ってどうなの?」
調査報告書がずさんで使えない
有利な立場で夫と離婚したい、浮気相手の女性に慰謝料請求をしたいと思って、『不貞の証拠』を掴もうと探偵に調査依頼をするとします。この場合は、夫の不貞行為の証拠(確実に肉体関係があったと思われる証拠)が必要です。
不貞行為と立証される証拠は、『ラブホテルに出入りしている画像や動画』、『浮気相手の家に3回以上出入りしている画像や動画』、『肉体関係があったことを示唆する発言や文章』などに限定されます。デート中のキス画像やメールやLINEのスクリーンショットなどでは肉体関係があったとは証明されません。
しかも、この画像や動画、音声などは、本人が言い逃れできないほど明瞭である必要があります。そして、画像には日時が記載されているものが好ましいです。
画像がボケていたりしたら、「これは私ではありません」と言い逃れされてしまいます。誰が見ても「本人である」ことが確認できるものでなければ、確実な証拠にはなりません。
このような不明瞭な画像や動画を使って「調査報告書」を提出されても、裁判では使えないことがあります。裁判で使えないような証拠であれば、お金を払う必要がない、返金して欲しいと思うのも当然かと思います。必ず、探偵社の調査報告書のサンプルなどを見せてもらい、契約前には『明瞭な証拠写真』『裁判で使える報告書の作成』と聞きましょう。
探偵社へのクレームがあるときはどこへ言えばいいの?
そうはいっても、探偵社へのクレームは、なかなかなくならないのが現状です。もし、トラブルが発生した場合はどこへ相談するべきなのでしょうか?
一般的には、消費者センター、全国消費者生活相談員協会、国民生活センター、地元の弁護士会などへの相談する方が多いです。相談内容によって詐欺が考えられる場合は、警察へ行くように促されるケースもあります。
ただし、最近では『損害を取り戻せる』といって契約を結ばせる探偵業者が増加しており、警察庁からも注意喚起がされています。返金してもらいたいばかりに、別の探偵に相談するのは避けた方がベターです。
クーリングオフは出来るの?
2008年の特定商取引法の改定により、探偵業に関してもクーリングオフの対象となっています。しかし、クーリングオフが適用されるのは「探探偵の事務所か依頼者の家以外での契約」と限定されています。ファミレスや喫茶店などで契約締結した場合のみ、クーリングオフが出来ることになっています。
もし、事務所や自宅以外で契約した場合、書面を受け取った日を含めて8日以内に書面で契約解除を申し出れば、クーリングオフが適用されます。すでに全額支払い済みであっても、違約金なしで返金に応じてもらえるでしょう。
ですが、悪徳業者の場合、ファミレスなどで契約したにも関わらず、事前にクーリングオフが適応になる契約であることを告知しないケースもあります。クーリングオフを告知せずに契約をすると、行政処分や刑事罰の対象になります。
基本的に正規の探偵であれば、事務所で契約書を交わすことが大半です。詐欺であるケースも考えられ得るので、カフェやファミレスで契約しないようにしましょう。
返金対応はしてもらえるの?
返金対応が出来るか否かは、契約内容にかかわってきます。「早く調査してほしいから」と言って、目を通さずに契約書にサイン・押印するのは危険です。理由があってやむなくキャンセルする場合はどうなるかを契約前に確認することが大切です。
探偵社によっては、調査開始前であれば、全額ではなくても返金に応じてくれる所もあります。しかし、一切、返金には応じてくれない所も勿論あります。詐欺か否かというよりは、返金対応があるかどうかの契約内容を事前に把握したいですね。
料金設定が明瞭な探偵に調査の依頼をする!
探偵との料金トラブルが発生したらどうするか?というよりも、まずは事前に料金トラブルを起こさないような探偵を選ぶことが大切です。
「証拠が掴めなかったら0円」「失敗したら成功報酬はいりません」などという宣伝には惹かれますが、後にトラブルが発生しやすいのは成功報酬型や後払い型の探偵が多いようです。料金設定が明瞭で、詳細に見積もりをしてくれる探偵を選びましょう。
見積もってくれた場合、経費や雑費込なのか、実際に掛かった経費は後払いなのか・・などを確認します。見積もりの金額が安かったので前払いしたのに、調査後に莫大な経費を請求されることも考えられます。調査をキャンセルした場合のキャンセル料や返金関連、調査報告書の内容に関しても、しっかり打ち合わせておくと良いでしょう。
ちゃんと説明してくれない、対応が不親切など違和感を察知した場合は、契約をしてはいけません。急かしたり、慌てさせるような探偵もトラブルが起きるケースが濃厚です。
→「浮気調査の相場は?1日いくらかかるの?15万円は適正ですか?」
浮気調査でトラブルを起こさないためには?
探偵は『探偵業法』で、公安委員会に営業の届け出をしなければなりません。まずは、事務所に直接出向き、見やすい場所に『届出証』が張っているかどうかを確認しましょう。出来れば、営業開始したばかりの会社よりも、5年以上は実績のある探偵の方が安心です。
事務所に行って説明を受けても、しっかり契約書を読みこむのは難しいこともあると思います。パートナーに浮気されて心身ともに衰弱しているのですから、冷静な判断ができないこともあるでしょう。それに付け込んで「今すぐサインしてください」「早く調査した方がいい」といって急かすような探偵は、トラブルを起こす可能性が高いと言えます。
ですから、その場では契約せずに一度家に契約書を持ち帰り、よく確認してから後日契約するという手段に出たほうが良いでしょう。落ち着いて家で見てみると、すべて探偵側に有利な契約内容になっていることもあるはずです。キャンセルや調査失敗などに関する料金が明確に記載されているか、経費や人件費込なのか、否かも確認できますね。
「納得できなければ契約しない」「探偵はここだけではない」「お金でトラブルにならない」ことを肝に銘じましょう。言われるままに契約しないように心がけると、料金トラブルに巻き込まれる可能性は格段に減るのではないでしょうか?